豊かさ

「うちは給食費を払っているのだから
うちの子にいただきますを言わせないでほしい」
とある小学生の親が言ったという話は有名である。


去年僕は小学生と一緒に初めてお米を作った。
本当に貴重な経験だった。


いただきます


この言葉の美しさを以前書いた気がするが
「いただきます」は
「つながりの言葉」ではないか、と思う。


目の前にハンバーグとライスがある。
ハンバーグを見て牛の姿を想像できるか。
食事中に牛を思い浮かべるのは少し気分が悪いかも知れない。
牛が牧場で草を食べる
世話をする農家がいる
肉になる
肉を運ぶ運送屋がいる
ハンバーグを作る人がいる


米が田んぼで育つ
田んぼで生き物が育まれる
世話をする農家がいる
米を運ぶ運送屋がいる
ご飯を炊く人がいる


牛や米の命をいただいている
そしてその命を自分にくれる人がいる
自分一人で生きているわけではない


命のつながり


「いただきます」はその目に見えないものを
つなげているのではないか。


都会の人は孤独を感じやすい
つながりを感じられない
とよく言われる。
お金はあってもそれは豊かなことだろうか?

いろんな人や動植物、自然環境とつながって支えられて生きていること、
それを感じられて、感謝しながら生きられることが豊かさではないだろうか。


僕と一緒に米を作った子どもたちに
そんなことが少しでも伝えられただろうか。


今年も田んぼと多くの人と自然に感謝しながらまたお米を作っていきたいと思う。