あるのに使わないという矛盾

さんざん後回しにしてきたけど
そろそろちょいちょいこの話を出して行こうかな。


よく地球環境問題の中で熱帯林など世界の森林が大量に伐採されて
野生生物のすみかが奪われるという話がある。
その木材を輸入するのは日本を含む先進国。


日本は国土の2/3を占める森林があり、
その多くは天然の森林ではなく
木材を生産するために人間が植林をしたりした人工林。


この人工林は言わば「木材の畑」!
先人たちが後の世に必要になると思って植えたもの。


しかし実際にはどうかというと
その後に木材の輸入自由化によって
海外から安い木材が大量に入って来るようになった。
現在の木材の自給率は国産材は何と20%を下回る。


木材の畑は今、木が使われずに放置されている。
ほぼ大人になって伐られるべき木が日本には大量に存在する。
木は成長するときに二酸化炭素を吸収する。
とすれば成長しきった木は二酸化炭素固定の面からも効果が薄い。
すなわち京都議定書で日本がかかげた6%のうち3.9%を森林吸収に期待する
ということが事実上無意味である。


日本の人工林から適切に木を伐って
新たに植林していくことこそが
温暖化に対しても有効である。


にも関わらず海外から貴重な森林を伐って
日本にある伐ってほしい木を使わないという矛盾。
そこにはコストが大きな壁となっている。
本来木材自体の価格にはそれほど差がないのに
日本の木材販路にはたくさんの業者が関わるために価格が上がる。


そこで必要なのは
「販路の改革」
「(国産)木材の需要」だ。
例えば木材を最も使う家造りにおいて
日本の多くの人が国産材で家を建てることが
環境に対しても貢献できると認識してもらう必要がある。
また今みんながそこにお金をかけることで
将来の温暖化を食い止めることにつながった場合に
そんなお金以上の利益を得られることを認識すべきだ
(見えないものだからなかなか難しいが)
そんなことがわかるように変わったら
きっと地球の未来も明るくなるのかな。